【感想文】宮沢賢治の地学読本

本題に入る前に・・・

あけましておめでとうございます。2022年も日積環礁を宜しくお願い致します。

作:宮沢賢治 編:柴山元彦 2020年7月28日

イメージ曲「金星(平沢進)」

1896年から1933年までを生き抜いた東北地方の文学者にして地学教員、宮沢賢治のいくつかの作品に、これまた元地学教員の柴山元彦さんが解説を加えた本。「宮沢賢治の地学教室」を買ってみて、「教科書っぽいな」と思い、あまり期待はしていなかったが、こちらは形式としては大変素晴らしかった。

ちなみに、オールカラー。僕はオールカラーの本が大好きである。

特に2編目「楢ノ木大学士の野宿」は、岩頸という元火山の生き残り的な岩石が会話をしたり、花崗岩の鉱物同士が、自形・他形・風化をモチーフとした会話をしたりするのだが、解説のおかげでどういうことなのかを理解できた。もし解説がなければ、「なんのこっちゃ」と頭を抱えていたことだろう。

彼が生きていた時代から100年近く経ち、地学分野はもちろん、自然科学全体も大いに発展し、「真理の探究者」は今日も宇宙を探り続けている。しかし、宮沢賢治の作品は、たとえ当時の科学知識から大きく変わってしまったのだとしても、変わらず興味深いものであるのは間違いない。

少し残念に思うのは、こうした自然科学を文学につなげてくれる人々がなかなか身近にいないということだ。(SFなどはあるが・・・)

「文系は文系」「理系は理系」と極端に分離してしまったり、研究自体がタコツボ化したりしてしまったせいだろう。僕は彼のようにはなれないかもしれないが、いつの日か、理系と文系、科学と非科学、様々な世界をつなぐような表現者となれたらと思っている。

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